週給30万円? オーストラリアの「交通整理バイト」が“教師の収入”を上回っているのは本当か

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工事現場などで作業灯を手に車や通行人を誘導――。豪州のロリポップレディ(女性学童擁護員)たちは、教師や看護師以上の高給取りという。本当か。

ロリポップレディの高額報酬の秘密

豪州の歩道(画像:写真AC)
豪州の歩道(画像:写真AC)

「だまされた」と投稿動画にキレていた女性は、これから高給職ロリポップレディの世界に脚を踏み入れようとする新規参入希望者に、「安易においしい話を信じてはいけない」と警鐘を鳴らしつつ、非常に貴重な助言を最後に残している。彼女は、

「やるなら労働組合契約で雇ってくれる事業者を選びなさい」

と述べていた。これはどういうことか。

 豪州には、CFMEU(Construction, Forestry and Maritime Employees Union)という労働組合組織が存在する。直訳すると「建設・林業・海事従業員組合」だ。

 CFMEUの契約である場合、EBA(Enterprise Bargeining Agreement = 企業交渉協約の略)というFair Work Act(フェアワーク法)に基づいて決められた労働者と雇用者の労働協定による規定が適用される。

 豪州のビクトリアでは、このCFMEUの組合契約に基づいて雇用された場合、30ドルほどの基本時給が最高で135ドルにまではねあがるのだそうだ。1日あたり47.40ドルの出張手当や27.83ドルの食事手当のほか、長期勤続手当や出張手当などなど、過酷な業務を手厚くしっかりとねぎらってくれる。

 しかし、こういった至れり尽くせりの待遇を享受できる組合系の仕事は少なく、なかなか見つからないのが現状らしい。「おいしい仕事」を手放すワーカーはいないだろうし、空席が出ないのだ。新規参入者には簡単に手に入らない。そして、そういった労働組合による労働賃金を上げる試みが、

「労働組合と非労働組合の仕事の間に格差を生んでいる」

という指摘もある。前述の女性がキレていたのはこの点だろう。それでも、世界的に見ると豪州のロリポップレディの給与水準は高い。人手不足という面も確かにあるが、こういった労働組合の働きかけが、ロリポップレディのようなきつい仕事の給与が全体的に底上げされる原動力になっているのかもしれない。

 日本では……起こりそうにない。

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