フーシ派の攻撃で商船が「スエズ運河」を避けているのに、なぜ海運は平穏を保っているのか?
地中海と紅海を結ぶスエズ運河は、世界の物流の10%が流れる大動脈である。しかし、このような状況にもかかわらず、世界の海運は平常レベルを保っている。なぜだろうか。
120円の商品で3円の上昇

第3が、運賃上昇の影響も小さいことである。もともと海上輸送のコストも運賃もタダ同然である。輸送する商品価格から見れば無視してよい額なので大幅上昇したところでさしたる影響はない。
輸送コストは3割上昇する。すでに述べたように40ft型コンテナで6万円から7万8000円に増額する計算となる。
運賃はそれ以上の2倍である。上海航運交易所の欧州コンテナ指数は年末の1000から4月には2000に上昇した。40ftコンテナであれば25万円が50万円となった。
この海上輸送コスト3割増、海上運賃2倍のニュースは衝撃的である。他のサービスでは、なかなか聞かない値上幅だからである。
ただ、商品あたりの海上輸送費用で見ると騒ぐほどではない。
330ccのミネラルウオーターなら輸送コストで20銭、運賃で3円増でしかない。実売価格120円の商品について80銭が1円に、運賃3円が6円に上昇するだけである。そもそも、その程度だからフランスの水を中国や日本に運んで売る商売が成り立つのである。コストからすればボトル材料のプリフォームの方が高い。
つまり、実際の影響は極めて少ない。商品1kgあたりの海上運賃に直しても10円が20円になる程度である。重量500gで店頭価格1000円となるTシャツの輸送費が5円上昇する、重量10kgで店頭1万円となる組み立て家具の輸送費が50円上昇する程度にすぎない。