フーシ派の攻撃で商船が「スエズ運河」を避けているのに、なぜ海運は平穏を保っているのか?

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地中海と紅海を結ぶスエズ運河は、世界の物流の10%が流れる大動脈である。しかし、このような状況にもかかわらず、世界の海運は平常レベルを保っている。なぜだろうか。

世界物流に大きな影響なし

スエズ運河付近の貨物船(画像:写真AC)
スエズ運河付近の貨物船(画像:写真AC)

 スエズ運河の迂回が始まってからすでに100日以上が経過した。フーシ派が紅海南端にあるマンデブ海峡で船舶を狙うミサイル戦争を始めたのは2023年の末である。以降、商船はスエズ運河ルートを避けて、アフリカ大陸の最南西端に位置する喜望峰を遠回りする経路に切り替えている。

 しかし、影響は限定的となっている。スエズ運河は世界物流の1割が通過する大動脈であり、その不通は世界経済を揺るがすといわれている。しかし、その事態に至ったにもかかわらず世界の海運は平時のままである。海上運賃も平時変動の範囲にとどまっている。
 それはなぜだろうか。

 それは、実際のところ、スエズ運河は

「死活的な価値を持っていない」

からである。そのため、喜望峰廻りとなっても世界の物流はあまり困ることもないのである。

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