トランプ当選で、NATOが形骸化? ほくそ笑むプーチン、ロシア撤退の「日本車メーカー」は今後どうなる

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日本の自動車メーカーが脱ロシアのドミノ現象を起こした背景には、政治的緊張が長期化することは避けられないという判断があったことは想像に難くない。3月に大統領に当選したプーチンは15万人を追加動員する大統領令に署名し、ウクライナでの攻勢を強める構えだ。

NATOと揺れる欧州

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタ自動車のロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタ自動車のロゴマーク(画像:AFP=時事)

 仮にトランプ氏が勝利すれば、NATO内での混乱や分断が先鋭化する恐れがある。

 前述のとおり、NATOが集団防衛体制であることがロシアに対する大きな抑止力となってきたが、共同で対処するものの、どんな対抗措置を具体的に取るかは結局のところ最後は各国政府の判断であり、自国の軍隊を最前線に送ることはマストではない。

 トランプ氏が大統領になると、こういったNATOの一体性にほころびが生じ始め、NATO自体が

「形骸化」

してしまうリスクが考えられる。それこそがプーチン大統領の狙いであり、NATOの形骸化はロシアを大きく利することになり、それを警戒する欧州諸国とロシアとの軍事的緊張が高まるになろう。

 欧州、特にロシアと距離的に近い東欧諸国に進出する日本企業としては、このリスクを長期的な視野で捉えておく必要がある。今すぐロシアの脅威がウクライナ周辺の欧州諸国に拡大するわけではない。しかし、プーチン大統領がどこまで拡大するかは未知数であり、NATOの形骸化により欧州とロシアとの間で軍事的緊張が高まるリスクは排除できない。

 大手自動車メーカーなど日本の大手企業でもポーランドやチェコ、フィンランドなどに進出したり、新たな開拓先と選定したりする動きもあるが、長期的視野でウクライナ戦争を捉える必要がある。

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