てんかん発作の「交通事故」後絶たず! 過去には児童6人死亡の大事故、個人モラルに依存した制度設計はもはや限界だ

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道路交通法では、運転に支障をきたす状態での運転は禁止されているため、免許更新の際には「てんかん」を含む特定の病気を患っていることを申告することが義務づけられている。しかし、この制度には問題がある。

免許取得できなかったてんかん患者

服薬イメージ(画像:写真AC)
服薬イメージ(画像:写真AC)

 1960(昭和35)年に道路交通法が公布され、その第88条には次のように免許を与えないことが明記された。

「第88条 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、免許を与えない。 一 (略) 二 精神病者、精神薄弱者、てんかん病者、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者 三~五 (略)」

 つまり、精神疾患やてんかん患者、視覚・聴覚障がい者は運転免許を取得できず、たとえ運転能力があったとしても、病名だけで取得できなかったのだ。

 この法律が制定された当時は、「てんかん発作」の頻度や再発の可能性といった科学的根拠や運転能力は考慮されず、漫然と運転が禁止されたものと思われる。

 事実、「口がきけない者」は運転可能だろう。「耳が聞こえない者」の場合、サイレンなどの音が懸念されるが、これは程度に応じて判断されるべきである。

 つまり、てんかんや聴覚のハンディキャップがあっても、薬でコントロールされていたり、補聴器でカバーされていたりすれば運転できる可能性があり、その点を考慮すべきである。この不条理に当事者が怒るのも無理はない。道路交通法は改正されることになり、2001(平成13)年には88条が削除され、病名ではなく

「障害の程度」

によって運転能力を判断する相対的欠落事由に変更された。欠格とは、運転免許の場合は

「運転免許を取得できる条件を満たしていないこと」

であるが、相対的欠落の場合は「運転能力」によって判断される。

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