毎年130万人、交通事故「死者数」が世界大戦の犠牲を超える日! 日本は世界有数の自動車生産国、その責任は重い【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(21)
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自動車による交通事故死者数の累計は、ついに世界大戦を上回るといわれている。世界有数の自動車生産・輸出国である日本の責任は重い。
世界大戦を超える危機
自動車が発明されて以来、これまでに、6000万~8000万人が自動車事故で死亡し、20億人が負傷したといわれている。
車両の安全性は高まっているものの、21世紀を迎えてもなお、
「毎日500人」
を超える子どもたちが関連事故で亡くなっている。3分にひとりの割合で、毎日子どもが亡くなっていることを想像できるだろうか。世界では34人にひとりが自動車関連死である。自動車の発達と普及によって多くの利便性を享受してきたが、運転するしないにかかわらず、自分や家族、知り合い、仲間がいつ犠牲になってもおかしくない状況に直面し続けている。
毎日の暮らしのなかで、テレビから流れてくる交通事故のニュースも、どこかその悲惨さがマヒしてしまっているのではないかと感じるときがないだろうか。 第2次世界大戦だけで、約7800万人以上の人が戦死したといわれている。今なお毎年130万人を超える人たちが交通事故で亡くなっており、自動車による交通事故関連死は、累計で
「世界大戦をいよいよ超える」
ともいわれている。
日本は世界でも有数の自動車生産国であり輸出国でもあり、その責任は重い。以前ジャカルタでインドネシア高官と交通問題を協議する会合に出席した際、高官からの第一声はいまだに忘れられない。
「日本人の皆さん、ジャカルタの道路を走っているクルマはどこのクルマがご存じですよね。ほとんどが日本産の自動車です。ジャカルタが抱える深刻な渋滞問題や環境汚染の責任は、あなたたちにもあることを認識していますか。渋滞問題を一緒に解決していきましょうではなく、あなたたちが積極的に解決策を提示すべきではないでしょうか」