「中古車廃棄」を助ける新ビジネス? 日産の“レトロ化”キューブは、SDGs時代の希望かもしれない
					日産自動車が認定中古車「キューブ レトロリノベーション」を発売した。これは同社の新しいビジネスモデルの試金石となるかもしれない。				
				
				廃棄防ぐ新ビジネス

日産がキューブの中古車をカスタマイズして販売する背景には、新たな魅力の創造だけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)に向けた戦略も垣間見える。
SDGsとは、貧困や環境問題など地球規模の課題を解決するための取り組みで、将来的に持続可能な社会を実現するための世界的なムーブメントだ。日産も自動車の電動化やCO2排出量の削減など、SDGsの実現に向けてさまざまな取り組みを行っているが、今回の中古車をベースとしたカスタマイズカー販売事業もそのひとつになり得るだろう。
日本では年間350万台ものクルマが廃棄されており、1台でも中古車を長く使い続けることが産業廃棄物の削減につながる。中古車は経年劣化でどうしても不具合が増えてしまうが、日産のようなリフレッシュやカスタムパッケージで新たな価値観を与えることができれば、長く乗り続けることができる。
日産は2024年の東京オートサロンにも出展し、中古車カスタマイズプロジェクトの第2弾として「マーチ パティシエ コンセプト」を発表した。2022年に生産を終了したコンパクトカー・マーチをベースに、パティシエ(洋菓子職人)をテーマにしたかわいらしいデザインが特徴だ。
日産が2年連続で同じようなコンセプトのクルマを出展していることからも、この新事業への期待の高さがうかがえるが、マーチもキューブの流れをくんで実際に販売される可能性が高い。今後の日産中古車の魅力的な展開に期待したい。