「中古車廃棄」を助ける新ビジネス? 日産の“レトロ化”キューブは、SDGs時代の希望かもしれない

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日産自動車が認定中古車「キューブ レトロリノベーション」を発売した。これは同社の新しいビジネスモデルの試金石となるかもしれない。

東京オートサロンで評価

「キューブ レトロリノベーション」(画像:日産自動車)
「キューブ レトロリノベーション」(画像:日産自動車)

 キューブ レトロリノベーションの販売決定は、モーターショーでのコンセプトカーの高評価に基づくもので、発表から1年以上を経て実現した。

 2023年1月、日産は東京オートサロン2023に出展し、フェアレディZやセレナなどのコンセプトカーを展示した。東京オートサロンは、チューニングカーやカスタマイズカーを中心に展示するイベントで、国内最大規模を誇る。

 このイベントには、当時生産終了していたキューブをカスタマイズした「キューブ リフレッシュ&レトロコンセプト」が出展されており、そのデザインは今回発売されたキューブ レトロリノベーションと同一である。日産の最新モデルのカスタマイズカーやコンセプトカーのなかで、キューブの存在は異彩を放っていた。

 キューブに新たな魅力を与えたカスタマイズカーは、日産の展示車のなかでも大きな話題となり、一般ユーザーの反応もよかったようだ。しかし、当時は今後の中古車戦略の一環として発表されたものであり、キューブの復活を望む人の多くは「コンセプトだから販売されることはないだろう」と思っていたのではないだろうか。

 そのコンセプトモデルがほぼそのままの形で発売されるのだから、コンセプトカーに引かれた人にとっては、実際に所有できる夢のような話である。

 現時点では20台のみの限定トライアル販売だが、人気次第では今後の市販化も検討するという。奈良日産の中古車販売サイトによると、販売開始から約1か月で在庫は残り3台となっており、売れ行きは好調のようで、今後の展開が期待できそうだ。

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