ボーイング・エアバスを超える日も近い? ロシア製旅客機「MS-21-300」をご存じか
ロシア製のジェット旅客機「MC-21-300」が、将来世界の空に進出する。ウクライナ情勢など、ロシアを取り巻く緊迫した政治状況下では材料調達のリスクも懸念される。
ウクライナ問題が材料調達リスクになるか

室内の広さに加え、もうひとつのMC-21の特長は、機体重量の軽量化にある。胴体ならびに主翼や尾翼の広範囲に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用することにより、複合材料の使用割合を全体の40%以上にまで高めた。
とはいえ、型式証明を受けたMC-21-300は、アメリカのプラット・アンド・ホイットニー社のPW1400Gギヤードターボファンを搭載するなど、欧米ならびに日本のサプライヤーから提供されるさまざまなコンポーネントにより成り立っている。このことが、MC-21の足かせになっている。
ウクライナ情勢など、ロシアを取り巻く緊迫した政治状況下において、西側諸国が経済制裁を発動した場合、サプライヤーからの供給がストップする可能性があるためだ。ロシアと欧米の制裁合戦が先鋭化した場合でも安定した生産を確保するため、海外のサプライヤーに頼らない部品調達が急務となっている。
その点についてはイルクート社も認識しており、ドバイで展示されたMC-21-310は、ロシアのアヴィアドヴィガーテリ社のPD-14ターボファンエンジンを搭載している。しかし、この機体は型式証明をいまだに受けていない。
また、自社開発のポリマー複合材料を用いた別のプロトタイプを開発したものの、現時点では2021年12月に初飛行を実施したにすぎない。材料の調達の成否により、計画の大幅な見直しを迫られる可能性があると言えるだろう。