率直に言う 電化区間で“気動車”を走らせることは、鉄道の「退化」である
電気鉄道切り替えの動きは国鉄時代から各地で見られたが、それに逆行するかのような動きがある。これは「退化」ではないのか。
鉄道事業者のコスト判断と課題

その意味では、国鉄時代に多く見られ、近年は第三セクターでも見られるようになった、架線下の気動車も似たようなものかもしれない。
電化が進むにつれて、速度向上のために特急には高価な交直流電車が導入された。しかし、普通列車は気動車列車が多かった。なかには交直流電気機関車がけん引する客車列車もあった。客車も旧型客車で、電気機関車は貨物と兼用だった。気動車列車が電車に置き換わることはなかった。置き換えられた場合でも、急行型電車や583系寝台特急電車を改造したものが多かった。
1990年代には、交流のみの区間が新しい電車に置き換えられた。しかし、一部の区間には気動車列車が残っていた。2004(平成16)年3月、肥薩おれんじ鉄道が開業すると、旅客列車はすべて気動車に改造され、架線は貨物列車用に残された。
近年では、2015年3月に開業したえちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインも、輸送密度が低いことや区間内の交直流切り替えの関係で気動車で運行されることになった。電化設備は観光列車と貨物列車用である。あいの風とやま鉄道で導入されている521系交直流電車を導入してもよかったと思う。このあたりはコストが大きな問題だ。
電化設備を残したまま、交流電車や交直流電車を走らせるのは費用対効果が悪いと考える鉄道会社もある。一部の鉄道会社は、「電化設備は貨物などのため」と割り切っている。こうした事情から、「退化」せざるを得ない状況もある。
コストの問題は理解できるが、鉄道がどんどん便利になっていった時代があったことを考えると、少し残念だ。