率直に言う 電化区間で“気動車”を走らせることは、鉄道の「退化」である

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電気鉄道切り替えの動きは国鉄時代から各地で見られたが、それに逆行するかのような動きがある。これは「退化」ではないのか。

気動車での運行になったワケ

肥前浜駅(画像:写真AC)
肥前浜駅(画像:写真AC)

 電車を走らせるための設備は、本数が多い区間でこそ役に立つ。特急が1時間に数本走る区間では、電車を走らせた方が効率がいいし、普通列車でも気動車より電車の方が性能がいいので、ダイヤを組みやすい。

 しかし、長崎本線のこの区間は交流電化された。しかも、すでに貨物列車が走っていない状況である。また、かつては赤い機関車がけん引する寝台特急が東京や新大阪から長崎まで走っていたが、今はもうない。

 交流電車は直流電車よりも車両の設備が、複雑で高価である。また、複雑なため、交流電車を走らせるには1両だけでは製造できず、2両以上の車両が必要となり、効率が悪い。

 主に長崎~諫早間を走るYC1系は2両以上だが、これはハイブリッド気動車だからである。ただ、この区間は利用者が多いので、長い編成を作れる。かつて特急街道だった長崎本線でも、普通列車の利用者は少なく、単行の気動車で事足りる区間もあった。現在、肥前浜~諫早間では、キハ47形という国鉄型の気動車が使用されている。

 要するに、電化を維持したまま高価で高性能な電車を走らせることにコスト的なメリットがないため、非電化・気動車化となったのである。ただ、これは「退化」である。速達性と利便性を求めて鉄道が進化してきた時代を考えれば、これまでの設備投資の蓄積を生かさないというのは、一般的な感覚からすれば極めて異様である。

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