京都駅周辺「再開発ラッシュ」 過去のいわれなき差別乗り越え、古都の“玄関口”は街の中心に生まれ変われるか
かつての街外れが市の中心に

京都駅は1877(明治10)年、神戸~大阪間に開業していた鉄道を東へ延伸する形で開業した。当時の駅舎があったのは現在より北へ約140mの場所で、市街地の南の外れに位置した。それでも、農地の中に登場したレンガ造りのハイカラな建物は話題になった。
市最大の繁華街は、中京区と下京区にまたがる四条河原町かいわい。阪急電鉄の京都河原町駅や百貨店の高島屋京都店、花街の先斗(ぽんと)町がある辺りだ。その西側にビジネス街の四条烏丸、四条大橋を渡った東側に歓楽街の祇園が広がる。京都駅からは直線距離で約2km。市営地下鉄と阪急電鉄を乗り継げば、10分余りで着く。
開業間もないころの京都駅は市中心部へ向かうための乗り換え場所にすぎなかったが、1964(昭和39)年に東海道新幹線が開業し、京都タワーが完成すると、駅前の商業集積が進む。駅ビルに1997(平成9)年、百貨店のジェイアール京都伊勢丹がオープンし、2010年代に入って訪日客が殺到すると、その傾向に拍車がかかった。
大阪市北区の大阪駅、名古屋市中村区の名古屋駅も最初は街外れに建てられている。しかし、大阪駅を中心とする梅田地区は西日本最大のビジネス街、繁華街に成長した。名駅地区も中心部の栄地区を上回る勢いで開発が進んでいる。
京都市中心部は満杯状態で開発の余地が乏しいうえ、景観保護の高さ制限でタワーマンションなどを建設できず、マンション価格が高騰している。しかも、訪日客の急増で公共交通はパンク状態。このため、子育て層が大阪府や滋賀県に流出している。
京都駅周辺の再開発には混雑を緩和して市民が暮らしやすい街にするとともに、都市ブランドとしての京都の価値を高める狙いがある。京都駅周辺が大きく変貌を遂げたあと、京都市にどんな変化が生まれるのだろうか。