自動車メーカー・航空会社はなぜプロ野球ではなく「Jリーグ」に参入したのか? 開幕30周年記念で考える
2023年、Jリーグは開幕30周年を迎えた。このアニバーサリーイヤーの締めくくりとして、日本のプロサッカーの発展においてモビリティ産業が果たした重要な役割について深く考えてみたい。
Jリーグ参入は非鉄道会社ばかり

一方、Jリーグも発足当初はモビリティ系企業が目立ったが、その傾向はプロ野球とは異なっていた。リーグ発足時に加盟した10クラブ、いわゆる“オリジナル10”のうち、モビリティ系といえるのは次の6クラブである(クラブ名は呼称)。
・ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉。東日本JR古河サッカークラブが前身)
・浦和レッドダイヤモンズ(現浦和レッズ。三菱自動車工業サッカー部が前身)
・横浜マリノス(現横浜F・マリノス。日産自動車サッカー部が前身)
・横浜フリューゲルス(現横浜F・マリノス。全日空横浜サッカークラブが前身)
・名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス。トヨタ自動車工業サッカー部が母体
・サンフレッチェ広島(マツダサッカークラブが前身)
さらに、清水エスパルスの運営に参画する鈴与は物流が主業で、現在は航空事業も展開するモビリティ系企業である。ガンバ大阪の親会社である松下電器産業(現パナソニックホールディングス)は幅広い事業を手がけているが、モビリティ業界にも足を踏み入れている。また、
・ジュビロ磐田(ヤマハ発動機サッカー部が前身)
・セレッソ大阪(ヤンマーディーゼルサッカー部が前身)
・柏レイソル(日立製作所サッカー部が前身)
など、“オリジナル10”には入れなかったものの、数年以内にJリーグに加盟したクラブのなかにも、モビリティ業界に直接的、間接的に関わっている企業が関与しているクラブがあった。
このように、モビリティ業界関連のクラブは初期のJリーグで重要な位置を占めていた。また、ジェフユナイテッド市原以外は非鉄道会社の系列クラブばかりだった。