ソニーのEVは「ウォークマンのモビリティ化」だ 新会社発表 その真の狙い

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CES2022でソニーが発表した、EVプロトタイプ「VISION-S 02」と事業会社の設立。市場へ本格参入する同社の狙いは、自動車メーカーになることではない。ウォークマン、プレイステーション、AIBO――それらプロダクトの延長にあるのがEVだ。

新会社設立、発表に沸いた会見場

CES2022で発表された「VISION-S 02」(左)について説明するソニーグループの吉田憲一郎社長(画像:ソニー)。
CES2022で発表された「VISION-S 02」(左)について説明するソニーグループの吉田憲一郎社長(画像:ソニー)。

 日本では正月気分が抜けきらない2022年1月4日(現地時間)、米国ラスベガスで開催されていた「CES2022」では注目の発表があった。その主はまたもソニー。2年前の「CES2020」で発表したEVのプロトタイプ「VISION-S」に続き、新たにSUVとしたプロトタイプ「VISION-S 02」を披露したのだ。

 このプロトタイプは、セダン車型のVISION-S 01(※第1号モデルとして“01”を追加)と共通のEV/クラウドプラットフォームを採用しつつ、SUVならではの広い車室空間によって7人乗車も実現している。

 また、ソニーは今回の発表に併せ、モビリティ体験の進化や提案を今後さらに加速させるため、事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を2022年春に設立することも発表。EVの市場投入を含めた本格的な検討をしていくとした。この発表に、会場に詰めかけていた記者達は大興奮。その様子はオンラインからもはっきりと見て取れた。

 ソニーはかつてヘッドホンステレオ「ウォークマン」を発売して音楽の聴き方を一変させた。今でこそスマホでいつでもどこでも音楽が楽しめるスタイルが定着しているが、その基礎を築いたのはソニーだったのだ。その後、1994(平成6)年にはゲーム機「プレイステーション」を発売し、これまたゲームの世界に新たな流れを生み出した。

 そして、きわめつけが1999年に誕生したロボット犬「AIBO(アイボ)」だった。AIを活用してユーザーと共に成長する新たなエンターテイメントの世界観を世にもたらした。

 実は、VISION-Sの開発にあたっては、この関係者が深く関わっている。このメンバーが中心となって、ソニーは新たなビジネスとして電気自動車(EV)にチャレンジすることを宣言したわけだ。

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