「SUVの宣伝は全面的に止めるべき」 トヨタの広告を禁止した英国規制団体を動かした非営利組織の正体

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11月22日、英国の広告基準協議会は、トヨタ自動車が公開したピックアップトラック「ハイラックス」のフェイスブック投稿動画と広告ポスターを禁止すると発表し、各メディアが一斉に報じた。

ASA・ACの概要

ACのウェブサイト(画像:AC)
ACのウェブサイト(画像:AC)

 そもそも、ASAとは一体どのような団体なのだろうか。

 ASAが業務を開始したのは1962年。英国政府から資金提供を受けておらず、広告業界に対する賦課金によって運営されている。その役割は、広告、販売促進、ダイレクトマーケティングに関する苦情を調査し、広告が広告基準コードを順守しているかどうかを判断し、その内容を規制することだ。

 主に消費者や企業からの懸念や苦情に対応し、誤解を招く、有害、攻撃的、無責任な広告の禁止に努め、広告が規則を順守しているか監視しているが、法的拘束力はないとされる。

 きっかけは、非営利団体アドフリー・シティーズ(AC)が2023年3月にASAへ提出した訴えだった。ACはSUVの需要拡大が自然破壊につながっていると主張し、SUVに関する広告の中止を求めている。

 ACはASAの広告禁止措置について11月22日、「環境に「無責任」なトヨタSUVの広告が禁止に」と題したプレスリリースを発表し、

「SUVは、自然界のイメージを利用したたくましい冒険という偽りの約束で売られている。現実には、SUVは自然に害を及ぼし、大気を汚染し、都市を渋滞させ、悲劇的な人命の損失を引き起こしている」

といった見解を示し、さらに

「今回の裁定は歓迎すべきものだが、SUV広告の規制だけでは不十分で、SUVの宣伝は全面的に中止すべきである」

とも述べている。

 ただ、英国ではSUVの人気は高く、新車販売の約30%を占めている。そもそも、広告は企業の販促施策の一環であり、過度な禁止や規制は企業の販売活動を阻害する面もある。

 法的拘束力はないとはいえ、一団体による広告禁止措置が大きな波紋を呼んでいるのは確かだ。さまざまな主義・主張は認めざるを得ないが、そうした姿勢を推し進めるために広告を禁止すれば、企業に与える影響は計り知れない。広告主である企業は、そのような団体に慎重な対応を求めるよう主張しなければならない。

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