「オスプレイ」とは結局何だったのか? 米軍以外の採用“陸自だけ”という辛らつ現実、26年生産終了で総括する
オスプレイの限界と未来

開発費の高騰も続くなか、オスプレイを諦めて海兵隊はH-60やH-53といった既存ヘリコプターを購入すべきだ、という声が上がったこともある。しかし、いったん走り始めた軍用機の巨大プロジェクトは、困難に直面しても方針転換は難しい。企業にとっては大きなビジネスであり、政治家にとっては集票の道具であり、軍にとってはメンツがかかっている。
メーカーや軍はオスプレイの有用性や安全性について宣伝を続け、批判を抑え込みながら開発を進め、生産と配備を進めていった。米国国内では、オスプレイの事故で家族を失った遺族らが、こうした
「海兵隊やメーカーの責任追及を訴える声」
を上げている。
オスプレイの生産が終了する傍らでは、米国陸軍が長距離侵攻機としてティルト・ローター機V-280の開発を開始している。V-280については当媒体で以前も取り上げたことがあるが(「航空界の覇権争い勃発! 「V-280 vs SB-1」 新時代を担う次世代ヘリコプターの戦い、性能をご存じか」2023年5月21日配信)、本機の重量は14tあるいは17tと伝えられており、オスプレイよりも機体規模はずっと小さい。そのため、ローター回転面積に対する重量はオスプレイの3分の2程度であり、飛行機モードの飛行性能に影響する翼面荷重や翼幅荷重も、ずっと良好な値になるはずだ。
更に、V-280の計画性能は、機内搭載力を除けばオスプレイよりも良好である。これは「設計技術の飛躍的な進歩」ではなく、
「要求性能と機体規模の適正化」
によるものと考えるべきで、オスプレイへの参画を見送った陸軍の判断は正しかったと思える。いずれは米国海兵隊も、オスプレイをV-280に置き換えるという未来があり得るかもしれない。
なお、オスプレイは米国と日本で400機以上が使われており、これらを維持するための部品はメーカーによって引き続き供給されるはずだが、量産ラインが閉じれば部品の入手性が低下することは避けられない。ただでさえ輸入機の部品入手には悩まされている自衛隊だが、陸自オスプレイの運用にも影響は必至であろう。