滋賀県の交通税検討 「乗らないのに負担かよ」の不満意見に、“公共”交通の価値伝えられるか
滋賀県が全国で初めて導入を検討している「交通税」に注目が集まっている。交通税の目的は「公共交通の維持」である。滋賀県では、赤字の近江鉄道の維持が長年の課題だった。
国レベルでの交通税検討の重要性

今後は、高齢者を念頭に置いたデマンド型交通の導入など、新たな交通手段の整備が不可欠となる。デマンド型交通とは、決まった時間やルートに縛られず、利用者の要望に応じて運行される交通のことで、高齢者が行きたい場所や時間に移動することを可能にする。
これにより、生活圏内での移動がスムーズになり、高齢者の社会参加の可能性が高まり、生活の質が向上する。さらに、集中的な運行が可能になるため、効率的な公共交通の提供が期待でき、運行コストの削減にもつながる。「交通税」は、これを賄う現実的な手段である。
このような背景から、滋賀県のように公共交通維持のための交通税を検討する動きは、今後の国レベルでの税制検討の方向性として重要な意味を持つだろう。高齢化社会を迎え、安全で利便性の高い公共交通の整備は避けて通れない課題であり、そのためには持続可能な財源の確保が鍵となる。
しかし、交通税の導入は「増税」につながるため、国民の納得が不可欠である。近年、日本の増税論議は特に敏感になっており、政府のさまざまな税制改革案に対する忌避感が高まっている。
実際、配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除、非課税の通勤手当などへの課税方針が示されており、岸田首相は
「増税メガネ」
として一部で批判されている。こうしたなかで、国や地方自治体が十分な説明責任を果たし、公共交通の維持という大きな目的について議論することが、理解と納得を得るために必要なことだといえる。