滋賀県の交通税検討 「乗らないのに負担かよ」の不満意見に、“公共”交通の価値伝えられるか

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滋賀県が全国で初めて導入を検討している「交通税」に注目が集まっている。交通税の目的は「公共交通の維持」である。滋賀県では、赤字の近江鉄道の維持が長年の課題だった。

日本における交通税提案

税金のイメージ(画像:写真AC)
税金のイメージ(画像:写真AC)

 現在、滋賀県は2040年代を見据え、

「だれもが行きたいときに行きたいところへ移動ができる、持続可能な地域公共交通の確保」

を課題として掲げている。このビジョンを実現するために、デマンド交通など理想的な新施策をすべて実施した場合、交通税として必要な額は年間

「約89億円」

と試算されている。2023年2月7日付の『日本経済新聞』によれば、年間10億円の交通税を負担した場合、単純計算で県民約140万人あたり約700円の負担となる。すべての理想が実現すれば、ひとりあたり約6000円となる。実現のために必要な負担を県民に理解してもらうためには、より慎重な議論が必要だ。

 日本では、公共交通を維持するために交通税を導入しようという提案が何度もあった。例えば、1995(平成7)年には西武鉄道の仁杉巌社長(当時)が交通税の導入を提案したが、あまり注目されなかった。

 その後、2004年には名鉄の路面電車など4路線の廃止問題、2005年には土佐くろしお鉄道の赤字問題で導入が検討されたが、いずれも実現には至らなかった。自民党も1997年、国鉄の長期債務を賄うため、鉄道・バス・航空機すべてに交通税を課すことで財源を確保する案を出したが、これも立ち消えとなった。

 多くの自治体が公共交通の維持・財源確保に課題を抱えているが、抜本的な対策はまだ講じられていない。そうしたなか、滋賀県の交通税の成否は注目されているのである。

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