物流危機の山場は2024年ではない! もっと深刻なのは「2030年問題」だ

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さまざまなメディアで大々的に報じられた「2024年問題」。しかし、それを乗り越えても物流の持続性は早晩破綻する可能性がある、いったいなぜか。

自動運転化による脱「労働集約」

無人運航の実証実験を行ったコンテナ船「すざく」(画像:日本財団)
無人運航の実証実験を行ったコンテナ船「すざく」(画像:日本財団)

 無人走行ではない黎明期は人手不足の解決に役立たないかというと、そんなことはない。運転していない時間を

「休息時間」

と見なせるようになれば、その分だけドライバーあたりの運転時間を増やせるからだ。

 実際、フェリーに乗船中のトラックドライバーは休息時間にカウントされる。自動運転トラックの事業化にしても、自動走行中の時間の取り扱いにしても、法制度の改正を必要とするが、ドライバー不足への抜本的解決策といえる。

 同様のことは海上輸送にも当てはまる。無人運航船の実用化に向けた取り組みが進められているからだ。無人運航船プロジェクトを推進する日本財団(東京都港区)は、2025年までに実用化するとの目標を掲げている。仮に5年遅れたとしても、2030年には無人で動く船舶を見かけるようになるということだ。

 そうなれば、船員が不足していても海上輸送を増強できる。運航費の引き下げにもつながるとすれば、トラックから船舶への輸送手段の変更(モーダルシフト)も行いやすくなる。無人運航船の実用化は、ドライバー不足対策にもつながるのである。

・輸送能力はドライバーや船員の労働時間に比例する
・より多くの荷物を運ぼうとすれば、トラックを大型化するにしても限界がある以上、台数を増やすしかない
・その分だけドライバーを多く必要とする
・そして、より遠くまで運ぼうとすれば、ドライバーの運転時間を増やすしかない

つまり、輸送ビジネスは極めて

「労働集約的」

であったわけだ。自動運転トラックや無人運航船の実用化はこの構図を一変させる。輸送ビジネスの脱労働集約を実現するイノベーションといえよう。

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