山手線「防犯カメラ」強化 撮影データが悪用されないことを保証する法制度が不可欠だ
列車内での事件多発を受け、鉄道への防犯カメラ設置が進められている。国土交通省は、三大都市圏と新幹線の全路線を対象に、新造車両への防犯カメラの設置を義務づける方針を立てている。
「個人情報の保護」という金科玉条

顔認識は個人情報の保護において、もっとも注意すべきものだ。
例えば欧州連合(EU)では2018年に顔認識データの収集を原則禁止している。そこで、JR西日本では顔認識を避けたシステムの開発を進めている。
同社は2022年までの中期経営計画の見直しで「既存資源の最大活用による事業展開」を目指しており、その一環として高度な防犯カメラのシステムを開発している。
このシステムは、JR西日本が開発したAIモデルをクマヒラ(東京都中央区)の防犯カメラシステムに組み込んだものだ。具体的には、AIが防犯カメラの映像を解析し、骨格の動きから特定の行動や物体を検知する。
これは顔識別や行動追跡に基づくものではない。特徴としては、
・白杖(はくじょう)や車いすの検知
・要救護者の検知
・ナイフなどの物体検知
による事件や事故の防止が挙げられる。
現在はプライバシー保護の観点から、学習データの蓄積には同社の社員などが参加しているが、駅に設置された約7500台のカメラのビッグデータを活用できるとしている。豊富なデータが安定した検知を可能にし、新たな学習データの取得も容易だとのことだ。
ナイフなどの検知技術に賛成する人は多いだろうが、そのデータの元となる日常的な電車や駅の利用状況をチェックされたら、さすがに不安に感じる人はいるだろう。