「LRT」と「路面電車」は何が、どう違うのか? 宇都宮LRT開業で考える

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宇都宮LRTが開通し、1か月以上が経過した。開業から1か月間の利用者数は、当初予想の1.4倍だという。それはそうと、LRTは路面電車と何が違うのか。

考え抜かれたルート

鬼怒川橋梁(画像:森口将之)
鬼怒川橋梁(画像:森口将之)

 とりわけ、ライトラインをLRTと呼びたくなる理由のひとつに「ルート」がある。

 ライトラインはもともと、JR東日本宇都宮駅と、宇都宮市東側や芳賀町にある工業地帯を結ぶ路線として計画された。

 この間には鬼怒川という大きな川があり、朝夕は渋滞に悩まされていた。マイカー通勤の一部を公共交通に振り分けようというのがそもそもの狙いで、北米におけるLRT誕生のストーリーに近い。

 しかも鬼怒川を渡る手前では大学やショッピングセンターの脇を通り、対岸は高校、野球場、サッカースタジアムなどの近くを通り、ロードサイドとして発展した地域を貫いて芳賀町に至る。トランジットセンターも当初から4か所に用意している。

 買い物からスポーツ観戦まで、さまざまなシーンでマイカーの移動をLRTに切り替えてもらおうという考えが伝わってくるし、当初の想定以上の利用者を記録した理由のひとつが、この考え抜かれたルートのおかげだと考えている。

「ライトライン」命名、もうひとつの由来

トランジットセンター(画像:森口将之)
トランジットセンター(画像:森口将之)

 ちなみにライトラインという名前は、ライトレールであること以外に、もうひとつの意味が込められている。

 実は宇都宮では自身を「雷都」と呼んできた。この地域に雷が多いことが由来だ。雷というとネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれないが、雷が稲と結ばれることで実をつけるという言い伝えがあるのだ。稲妻という言葉はここに由来している。

 これは科学的にも実証されていて、植物の生育には窒素が重要だが、植物は空気中の窒素をそのまま取り込むことができない。しかし雷が落ちると、窒素と酸素が結びついて窒素酸化物が作られ、その後の雨でこの窒素酸化物が地中にしみ込むことで、稲の育ちがよくなるのだという。

 ライトラインの車両や停留場などに使われているシンボルカラーの黄色はもちろん、雷にちなんでいる。スタイリッシュなだけでなく、地域の色を絡めたところも、安定した利用に結びついているのかもしれない。

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