香港で大人気の「宅配版ウーバー」 日本でも導入すべき理由とは?

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香港は常に世界的な物流のハブであり、多くの運送会社が長い間しのぎを削ってきた。そのひとつが、通称「コールバン」と呼ばれるサービスだ。簡単にいえば、ワンボックスカーなどを使って様々な荷物を運ぶタクシーである。

日本の現状と規制緩和

香港の街並み(画像:写真AC)
香港の街並み(画像:写真AC)

 一方、日本はどうか。似たような存在に赤帽があるが、加入して個人事業主となるため、小遣い稼ぎという形ではない。ベンチャー企業のCBcloudが運営するPickGoも注目されているが、同社への登録条件は貨物軽自動車運送事業として登録することであり、一般のカーオーナーが小遣い稼ぎに利用するものではない。

 また、残念ながら「白タク」にならないよう、利用者は助手席に乗ることができず、送りたい荷物を積んで移動することもできない。

 日本では賛否両論の白タクだが、仮に同乗が認められたとしても、タクシー業界の減収に大きな影響を与えるほど利用者が減るとは思えない。また、交通事故が懸念されるのであれば、同乗者に別途保険料を徴収するなどの選択肢も考えられる。

 日本政府は副業を認める方針を打ち出しているのだから、白タクを認めないのは一種の矛盾である。単純に考えれば、モノを運ぶ人が増え、消費者にメリットがあるのは明らかなのだが、「事なかれ主義」の日本には、このあたりの柔軟性が欠けているような気がしてならない。

 少子高齢化が進み、高齢者が増えている世の中では、重い荷物を運ぶことすら容易ではない人が増えている。また、地方では若い人が少なく、手伝う人すらいない。また、高齢者が自主的に免許を返納し、車を売却した後は、大きな荷物を運ぶことは絶望的な作業ではなくなる。

 毎年話題になる“引っ越し難民”の問題も同様だ。「2024年問題」が解決しなければ、引越し難民は確実に増える。宅配版ウーバーは、その穴を埋める大きな助けになることは間違いない。

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