物流業界の救世主か、はたまた単なる“お役所仕事”か? 国交省「トラックGメン」創設、定員わずか162人というお寒い現実
2023年7月21日、国土交通省は省内に「トラック荷主特別対策室」を設置した。いわゆる「トラックGメン」である。トラックGメンとは何なのか。まずはそこから説明したい。
お役所仕事にならないか

トラックGメンは業界事情に精通したプロ集団であることはわかる。しかし数が少なくてはそのプロの能力を最大限に活用するのは難しい。さらに前述したとおり、要請や働き掛けに法的強制力がともなわないというのもいかがなものだろうか。
今回の措置とともに国土交通省には専門の通報窓口を設け運転者や中小事業者からの声を直接拾い上げるという。さらに要請や働き掛けに加えて勧告や公表も行うということだが、それらによって正しい制度運用の実効力がどれほど高まるかについては未知数である。
トラックGメン創設は、前向きに考えればよい措置であることは間違いない。しかし、お役所仕事にありがちな、
「取りあえず部署を作ってみました」
的なものに終わらせては何のための措置なのかその存在意義自体が無意味となる。
個人的には本格稼働の後には直ちに部署の有効性を精査の上で、必要に応じて人員の増員なども迅速に行ってほしいと考える。