物流業界の救世主か、はたまた単なる“お役所仕事”か? 国交省「トラックGメン」創設、定員わずか162人というお寒い現実
2023年7月21日、国土交通省は省内に「トラック荷主特別対策室」を設置した。いわゆる「トラックGメン」である。トラックGメンとは何なのか。まずはそこから説明したい。
荷主への要請、4年でたった4件
そうしたなか、今回の2024年問題の影響を最も受けやすいと思われる大多数の中小事業者をわずか162人でフォローできるのだろうか。
もうひとつ、トラックGメンが不正を発見した場合でも、現時点でできることは働き掛けや要請といった
「強制力をともなわない」
ものであり、その実効力には疑問が残るといわざるを得ない。
実際、これまでにも国土交通省によって問題のある荷主への要請や働き掛けは行われていたのだが、その総数は2019年7月から2023年5月までの累計で
・要請:4件
・働き掛け:82件
と事業者総数を考えればわずかである。
今回トラックGメンを導入した背景に、これらのシステムが従来は有効に機能していなかったことがあるのは間違いない。しかし、体制を強化したとはいえ、わずか162人で6万社以上を監視するのはどう考えても無理がある。