「F35A戦闘機」緊急着陸に見る日本の危うき未来 原因究明に「国家の主体性」なし、防衛費増額含め 加速する米国支配の現実

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6月28日、航空自衛隊三沢基地のF-35Aが2機、青森空港に緊急着陸した。緊急着陸は少ないとはいい難いが、懸念されるのは、原因究明や対策が日本では満足にできそうにないことだ。

F-35Aの緊急着陸は珍しくない

F-35A(画像:航空自衛隊)
F-35A(画像:航空自衛隊)

 6月28日、航空自衛隊三沢基地のF-35Aが2機、青森空港(青森市)に緊急着陸した。青森空港では、過去にも2021年3月24日に、同じく三沢基地(三沢市)のF-35Aがエンジン関連の警報灯が点灯して緊急着陸しており、同年12月8日にはコンピューターシステム不具合で函館空港に緊急着陸している。

 ほかにも、機体の最終組み立てを行う名古屋空港で、組み立て後の飛行試験で緊急事態を宣言して緊急着陸を行ったことがあり、F-35Aの緊急着陸自体はそう珍しくない。

 ジェット戦闘機にとって青森空港と三沢基地はそれほど離れていないが(直線距離で約60km)、緊急時は可能な限り早く着陸することが望ましい。航空自衛隊の訓練空域は洋上にあるが、青森を緊急着陸飛行場に選んだことから、北海道と東北の日本海側にあるC空域からの帰路だったと推測される。2機が着陸しているが、不具合を起こしたのは1機で、別の1機は随伴機として行動をともにしているものだろう。

 民間空港にはF-35Aの運用を支援する設備はないが、最近の戦闘機はエンジン始動などのプロセスでも地上支援を必要としない設計になっており、こうした事態への対応は比較的容易になっている。

 だからといって、決して軽々しく民間空港に降りているわけではなく、あくまでも安全上の必要を考慮しての緊急着陸だ。緊急事態を宣言した航空機があれば旅客機なども離着陸を待たされるし、今回も民間機3機に最大43分の遅れが出たという。

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