「ヘルメット」で済むなら警察いらない? 交通事故防止で本当に必要なのは「自転車レーン」だ

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2023年4月1日から、自転車に乗るときのヘルメットの着用が努力義務となった。しかし、ヘルメットを着用すれば本当に事故は減るのだろうか。

ヘルメット着用義務化で「利用者激減」

アムステルダムの自転車(画像:森口将之)
アムステルダムの自転車(画像:森口将之)

 対する本年度の国土交通省の東京都道路関係予算配分は、約240億円。しかも東京都では、2019年度末で305kmだった自転車走行空間を、2021年度から10年間で900kmにする計画を掲げてはいるものの、予算配分の内訳を見る限り、自転車のみを掲げた項目はゼロだ。

 実は前述した京都府の事故現場も、鉄道の線路をアンダーパスする場所で、下り坂ということで勢いづいた自転車同士が衝突したのではないかと、インフラの問題点を指摘する人もいる。しかしマスコミの報道はヘルメットの着用に終始していた印象がある。

 警察庁でも、こうした風潮は好ましくないと思ったのだろう。5月30日に全国一斉の指導取り締まりを行った。自転車の利用が多い都市部で定められた、自転車指導啓発重点地区・路線を中心とした全国2880か所で、警察官約9300人が動員されたという。

 その結果、いわゆる違反切符などの交付を受けた摘発件数は約500件。信号無視と指定場所一時不停止の2件だけで、全体の約4分の3を占めたそうだ。谷公一国家公安委員長によれば、2022年秋比で

「45.4%」

の増加だったという。

 こうした取り締まりはもっとひんぱんに行ってほしいものだが、それでも事故が減らないとなると、現状から予想すれば、かつての原付同様、ヘルメット着用義務に進むことが予想される。そうなれば原付がそうなったように、

「利用者の激減」

が予想される。

 これだけ警察庁が自転車の安全性を高めようとしているのに、道路を管理する国土交通省からは自転車走行環境を急ピッチでよくしようというメッセージが聞こえてこないので、そういう方向に進むことは十分に予想できる。

 原付ヘルメット義務化の際は、やや遅れて電動アシスト自転車という受け皿が生まれたが、自転車もヘルメット義務化となれば、もっとも身近な乗り物に乗るためのハードルが上がるわけで、ヘルメットが嫌な人は歩くしかなくなる。

 果たしてそれが、

「モビリティ = 移動可能性」

を高めることになるだろうか。ヘルメットの着用を進めれば問題解決などと思わず、インフラを含めた抜本的な対策を望みたい。

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