米IT大手で相次ぐリストラ 日本も「解雇規制」緩和すべきか? 人材流動化という美辞麗句に潜んだ、深い落とし穴とは

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米国では、市場の変化に対応する組織変革のダイナミックな方法として、解雇や雇用調整などによる「人の入れ替え」がよく行われる。そのメリットとデメリットとは。

解雇規制が影響? 非正規雇用増加

解雇のイメージ(画像:写真AC)
解雇のイメージ(画像:写真AC)

 現在は

「解雇がしにくいから、雇用しない」

となっており、

「解雇やしやすければ、雇用する」

と、非正規社員の減少にもつながるのではともされている。

 例えば、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申し込みがあれば、企業側は期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換しなければならない(申し込みを断ることはできない)というルールができたが、それほど功を奏していない。

 解雇規制が強いことを背景に、

「有期雇用になる前に契約を切ろう」

とする経営者も多い。実数としても、非正規雇用者数は2005年には1600万人強であったのが、2022年には2100万人強と約1.3倍にも増えている。

規制緩和で労働者の流動性が高まる

自己都合退職の割合(画像:ライボ)
自己都合退職の割合(画像:ライボ)

 さらに、解雇規制緩和により採用と解雇のサイクルが速くなれば、社会全体として労働者の流動性が高まる。そのため、、労働者がより自由に転職できるようになるともされている。

 転職市場はいわば“椅子取りゲーム”のようなもので、空いている椅子が少なければ、転職のチャンスが減ってしまう(誰かが椅子を空けるからそこに行くチャンスができる)。

 一方、労働者の流動性が高まれば、常時空いている椅子の数は増え、それだけ自分の行きたいところに行けて、スキルアップやキャリアアップにつながるチャンスが増えるというわけだ。

 市場が流動化していなければ、適性があってもチャンスがなければ、適材適所は実現しないからだ。

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