岸田首相のウクライナ電撃訪問 政府専用機ではなく、なぜ「チャーター機」だったのか?
話題を呼んだ、岸田文雄首相のウクライナ電撃訪問。移動の空路で用いたのは政府専用機ではなく、民間のチャーター機だった。
報道協定を結んだ米国と事前報道の日本

結果的に、岸田首相は念願だったウクライナ訪問を実現し、G7議長国としての面目を保ったが、電撃訪問が事前報道されたことについては、問題視する向きもある。
例えば、国民民主党の玉木雄一郎代表は自身のツイッターに
「(報道機関の)企業努力は認めるものの、今回のようなケースをどう報じるのか、一定のルールが必要ではないか。何かあったときに責任の取りようがない」
と投稿した。
バイデン大統領がウクライナを電撃訪問した際は、ふたりの記者が同行している。米政府はふたりの記者と、訪問終了までは報道を禁止する協定を結び、出発時には携帯電話を預かった。また、記者ふたりに送った訪問に関するメールの件名を「ゴルフトーナメント到着案内」と偽装するなど、情報管理は徹底された。
日本においても、報道機関が報道を自制する協定を結ぶ慣行がないわけではない。ただし、報道協定が結ばれたことがあるのは、誘拐事件など被害者の生命に危険が及ぶおそれがある場合に限られ、首相の外国訪問が報道協定の対象になったことはない。実際に、岸田首相のウクライナ訪問に同行した記者はゼロである。