航空分野「脱炭素」のメド立たずも ホンダ「e-fuel」で健闘、国際規格獲得に待ち構える課題とは

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カーボンニュートラルで将来的な課題が多いのは「航空分野」だ。その深層とホンダの挑戦に迫る。

自社製ガスタービンエンジンの強み

ホンダのeVTOL(画像:本田技研工業)
ホンダのeVTOL(画像:本田技研工業)

 とは言うものの、この分野でホンダが先行するなら、新時代のガスタービン燃料およびエンジン側の対応次第では、将来的にホンダの考えに基づいた製造法によるe-fuelがレシプロピストンエンジン用航空燃料として規格化される可能性も低くはない。あくまで今後の進行状況次第である。

 これら一連の新時代の航空燃料の未来を考えた場合、やはり既に自社製のガスタービンエンジンを持っているのは大きな武器になる。ホンダが自社のホンダジェットで使用しているHF120型ターボファンエンジンは、現時点でいくつかのSAFによる運転試験を問題無くこなしている。

 今後のe-fuelの研究開発においても、HF120とその発展型による試験が基本となるのは当然であり、結果的にSAFの承認獲得がそのままパワーユニットの供給メーカーとしての優位性を得ることを意味する。

 ちなみにホンダが現在研究開発中の新しい航空機用パワーユニットは、SAFを燃料とする高効率ガスタービンを使ったシリーズハイブリッドであり、ガスタービンとジェネレーターはひとつのパッケージで構成されている。

 ホンダとしてはこのパワーユニットを使ったハイブリッド垂直離着陸機(VTOL)の研究を進めており、実現の暁には小規模な人員輸送に新たな時代を作ることは間違い無い。

 もうひとつ、これは航空分野ではないが、先日2035年以降に販売する新車はバッテリー式電気自動車(BEV)のみとするという決定をアナウンスした欧州連合(EU)は、わずか1か月でそれを撤回し、e-fuelを燃料とする内燃機関も容認するという妥協案を発表した。

 このニュースで内燃機関は救われたと安堵(あんど)する層が少なくない一方、既述したとおり、e-fuelの実用化にはまだ多くのハードルがある。仮にここでもホンダがリードできれば、航空分野のみに止まらず自動車分野での勝利も夢ではない。

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