航空分野「脱炭素」のメド立たずも ホンダ「e-fuel」で健闘、国際規格獲得に待ち構える課題とは
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e-fuelにおける最大の課題

しかし、現実はその実現の可能性については研究が始まったばかりであり、実験室レベルでの製造はともかく、商業レベルでの大量生産についてはいまだ見通しは立っていない。
e-fuelにおける最大の課題は、炭素分子をひとつしか持たない二酸化炭素からケロシンと同じレベルの炭化水素燃料にするためには、炭素分子を8~16集めた上でさらに大量の水素分子と化合させなければいけない、という製造工程の複雑さにある。
そのためには、
・どんな触媒を使うのが良いのか
・二酸化炭素や水素は気体のまま使うのが良いのか
・それともいったん液化した方が良いのか
と、その方向性は多数ある一方で、決定版というべき製造方法はいまだ暗中模索という状態なのだ。
ホンダが理想とするe-fuelは、大気中の二酸化炭素を気体のまま収集し、その状態で水素と反応させるという、究極かつシンプルな製造方法によるものとされる。しかしこの方法は使用する触媒や製造設備、製造コストも含めて、まさにこれからの技術にほかならない。
実用化に向けての研究の結果次第では、ほかの方法が使われる可能性もあるが、おそらく将来性という意味ではホンダの方法が最も合理的だろう。
ホンダを待ち構える国際規格獲得の課題

さらに航空燃料としてのe-fuelには、広く実用に供するためには国際的な承認を得なければいけない。これは燃料としての安全性と信頼性、安定した供給の必要性を考えれば当然のことである。
ここで規格をつかさどっている米国材料試験協会(ASTM)は、連邦航空局(FAA)と各エンジンメーカー(OEM)が共同で運営する「FAA/OEMレビューパネル」での試験を経て規格承認を出す。それがなければ、燃料メーカーは国際的な共通規格航空燃料として生産供給できない。
ホンダが現在研究を行っているe-fuelが将来的にSAFとして国際的な規格承認を獲得するためには、ここでも多数の課題が待ち構えているというわけである。
なおホンダは2022年6月にFAA/OEMレビューパネルに参画し、新時代のSAF開発メーカーとして既に名乗りを上げている。