燃料電池の未来は「宇宙」にある! 「ホンダ」「トヨタ」が模索し始めた驚愕の道をご存じか

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乗用車用としての普及には課題の多い「燃料電池」が、宇宙開発の分野で注目されている。その背景を解説する。

乗用車での普及、課題多く

月面探査機「ルナ・クルーザー」(画像:トヨタ自動車)
月面探査機「ルナ・クルーザー」(画像:トヨタ自動車)

 水素と酸素を反応させて電力と水を生み出す「燃料電池」と、それを動力源とするさまざまな機器類が、化石燃料に代わる燃料としての水素を生かす上で、最も将来性が見込めるのではないかと広く語られるようになって、数十年が過ぎた。

 現在ではさらに、CO2排出ゼロを究極とするカーボンニュートラルを目指す社会においても、極めて有望な存在とされている。

 しかし現時点では、主として燃料電池本体の製造コスト、燃料となる水素の製造コストと製造時に相応のCO2を排出せざるを得ないという自己矛盾、水素を保管供給するための施設の建設と運用に関連するコストなど、多くの制約によって、実用化はともかく広く普及するまでに至っていないのは周知の事実である。