燃料電池の未来は「宇宙」にある! 「ホンダ」「トヨタ」が模索し始めた驚愕の道をご存じか
乗用車用としての普及には課題の多い「燃料電池」が、宇宙開発の分野で注目されている。その背景を解説する。
市民生活への還元は先の話?

さらに、商業用燃料電池では大きな障害と言われてきたコスト面についても、国家的な宇宙プロジェクトの一環であれば、ほぼ無視できる。
システムの初期試作モデルは2023年末の完成を目指しており、その後は2029年末と言われている月面有人探査開始に向けて、幾つかの試作段階を経て、完成を目指すという。
アルテミス計画においては、トヨタと三菱重工もJAXAとの共同で燃料電池を動力としたローバー(月面探査車)の開発で参画することが発表されており、与圧されたキャビンを備え長距離の移動が可能な探査車という以外に、具体的な詳細内容はまだ判然とはしていない一方で、その完成想像図には夢があると言って良いだろう。
燃料電池は元々、アメリカやソ連の宇宙計画と共に進化してきた技術だったが、その分野に日本の企業が本格参画するというのは、将来的な発展を見据えれば極めて有意義なことである。
願わくは、今後10年ほどの間にここで培う先進技術が、一般市民の生活向上にも活用できれば言うことなしなのだが、それについてはおそらく、数十年後の未来の話となるだろう。