バス転換で注目 千葉「久留里線」を完膚なきまでに叩きのめした怪物の正体
3月8日、JR東日本が久留里線の一部区間について、バス転換などを視野に入れて自治体との協議を検討していることが明らかになった。いったいなぜか。
元凶は東京湾アクアライン開通

1968(昭和43)年に久留里線が廃止対象から外れた時点で、君津市の製鉄所を中心に工場地帯が拡大、そこで働く人たちの住宅地として久留里線沿線が開発される――そんな将来像が思い浮かべられていたが、実際はそうならなかった。
理由は言わずもがな、木更津と対岸の川崎を15分で結ぶ東京湾アクアライン(全長15.1km)という怪物の1997(平成9)年開通だ。君津市に隣接する木更津市は東京湾アクアラインの恩恵を強く受けている。
「木更津市人口ビジョン」によれば、1975年に9万6840人だった人口は、2022年に13万6318人(41%増)まで伸びた。東京湾アクアラインの開通によって雇用が増加し、商業施設の立地が相次いだためだ。
結果、同市に隣接し、同じく人口が増加している袖ケ浦市を除けば、転出超過が常態化している。工業地帯の発展により市街地も発展し、人口増が期待された君津市だったが、東京湾アクアラインの開通で発展の芽を木更津市と袖ケ浦市に奪われたのである。
君津市がさほど発展しなかったため、同市山間部の開発も進まなかった。結果、久留里線は苦境に追いこまれた。周辺に見るべき観光地もない久留里線は、
「観光路線への転換」
もできなかった。
しかし、これからの利用者減少が明らかとはいえ、バス転換を実施するか否かはまだ議論が必要なところだ。今後も人口減が確実なため、たとえバス転換を実施したところで赤字運行は当然となる。
果たして、公費補助で半永久的に運行できるのか。地域の公共交通機関をどうするかが、まず考えるべきテーマである。