運送業の若手ドライバー流出が止まらない! 荷主との「馴れ合い文化」は運送会社にも大きな非、仕事じゃなく「ドライバー」売るな
労働環境が原因で、若手トラックドライバーが業界を去っている。その深層にはいったいなにがあるのか。なぜ荷主への「タダ働き」は終わらないのか。
運転記録計の不正も当たり前
彼は30代のうちに見切りをつけて別の仕事につく。幸い、少子化と人手不足もあって若い労働者には選択肢の多い時代でもある。こうして、またひとりドライバーが業界から去った。
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彼に限らず、見切りをつけて別の仕事につくドライバーは決して少なくない。筆者のこれまでのヒアリングのなかでも、
「拘束時間が長すぎた。私の努力不足もあるかもしれないが家族が壊れてしまうと思った。16連勤とかあった。タコ(運転記録計)の不正も当たり前におこなわれていた。運転以外の仕事は何でもタダでやらされた。ほかにも時間通りに行っても納品先が開いてなくて路上で待機とか、帰り荷なんて安くていいだろうとか、とにかく理不尽」
「当たり前にトイレットペーパーとか、ティッシュペーパーの陳列をさせるドラッグストアがある。ダンボールから出して検品、陳列を店員と一緒にやらされる。ドラッグストアも食料品を売るようになって米とかペットボトルのような重いものも同じようにやらされた。見合うような金がもらえれば構わないが、やることは増えてるのに賃金は増えるどころか減っている。つまりタダ働きのようなもの、そもそも契約にない」
「契約にない構内の荷運びを当たり前にやらされる。そんな契約はないので(自分の会社の)上に確認すると「やってくれ」となる。相手は日本を代表する大手企業なので逆らえない。大手との仕事を信用面でも欲しいからと、足元をみられてる。地方は特に多い」
と、さまざまな理由が積もって、この業界から去って行った。