運送業の若手ドライバー流出が止まらない! 荷主との「馴れ合い文化」は運送会社にも大きな非、仕事じゃなく「ドライバー」売るな
労働環境が原因で、若手トラックドライバーが業界を去っている。その深層にはいったいなにがあるのか。なぜ荷主への「タダ働き」は終わらないのか。
「なあなあ文化」の元凶
下請けだから、金を出しているからその時間は何をさせても構わないという雇い主の感覚が、いまだに日本の労働環境をむしばんでいる。
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明確に仕事がわけられ、例えば店員が店の掃除をしようものなら「俺の仕事をとるな」と清掃に従事する労働者から注意されてしまうような他国の労働文化と違い、この国は「ついでに掃除もしろ」となる。外国のほうが素晴らしいと安易に比較する「出羽守(でわのかみ)」のつもりはないが、この文化の相違は事実だろう。
「ちゃんとわけて並べろとか言われました。私がなぜしなければならないのか、運ぶ代金しかいただいてないはずなのに」
それでも言い返すわけもいかず作業した。「こんなこともわからないんですか」と若い店員に薄笑いで言われたときは「一線を越えようと思ってしまった」とも話す。
「でも悪い人たちじゃないですよ、ただ勘違いしてるだけで。私は「運ぶ」仕事をしているドライバーなのに、それを勘違いしている、いや、勘違いさせている」
ある意味で「仲間」と思われているのだろうか、悪く言えば「うちの会社、うちの店が金を払って使ってるんだからやれ」とも言える。
なあなあの労働文化――。これは物流業界に限った話ではない。しかし問題は勤め先だった配送業者の姿勢にもあると語る。
「何でも言うことを聞け、荷主は神様という社主でした。社長ではなく「社主」と呼ぶ決まりなんです。それは勝手ですが、荷主を増長というか、勘違いさせているのはその「社主」の姿勢にあると思うのです」