雪国の守護神! ごっつい「除雪車」にも自動化の波が押し寄せる深刻事情

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除雪作業をおこなう業界では、近年変化が起きているという。現場で何が起こっているのか、業界のこれからに目を向けてみよう。

精度の高い最新技術

前輪車軸中央上に設置されたアンテナ(画像:内閣府)
前輪車軸中央上に設置されたアンテナ(画像:内閣府)

 それでは、具体的にどこを自動化していくのだろうか。NEXCO東日本が2020年に発表した実験を例に説明していこう。

 例えば除雪トラックでの雪かき作業の現場で、オペレーターたちが培ってきた熟練技術を、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報などと連動させ自動でおこなうようにする実験がある。これまで、オペレーターは雪に覆われた場所で作業をするために細かい地形を把握しておく必要があった。

 実際、橋の継ぎ目のようなわずかな段差であっても、除雪トラックの雪かき(プラウ)が引っかかってしまうため、オペレーターの指示で数cm単位での精密な作業が求められる。そこでドライバーの現在地をGPSで取得し、地図情報と組み合わせて必要な情報をカバーすることで、ドライバーが運転をするだけで自動で雪かき作業をおこなえるようにするのだ。

 凍結防止剤散布車についても、これまでオペレーターたちが判断していた路面状況の判別をGPS情報によってカバーし、凍結防止剤をまくか、まかないかを自動で判断する仕組みを開発しているという。

 このように、経験不足であっても安全・安定的に作業ができるよう最新技術でバックアップしつつ、作業員の負担軽減する取り組みになっている。

 これは2019年に国土交通省が打ち出した『自動運転に関する取り組み進捗状況について』という資料にも提示されており、今後段階的ではあるものの、運転制御・操作支援の機能を備える“高度化された除雪車”の開発が推進されていく方針だ。

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