雪国の守護神! ごっつい「除雪車」にも自動化の波が押し寄せる深刻事情

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除雪作業をおこなう業界では、近年変化が起きているという。現場で何が起こっているのか、業界のこれからに目を向けてみよう。

進む除雪車の自動化… そのワケとは

路面を進む除雪車(画像:写真AC)
路面を進む除雪車(画像:写真AC)

 除雪作業は通常、除雪車を運転するドライバーと、安全確認をおこない指示を出すオペレーターのふたり体制で作業するのが従来のやり方だ。ドライバー、オペレーターともに高い技術が求められており、高齢化に伴い新しい担い手に技術を伝えることができなければ、当然この仕組みは維持するのが難しくなる。

 では、具体的にどんな技術が求められるのだろうか。まずドライバーだが、ひと口に除雪車といっても道路除雪用機械にはさまざまな種類があり、

・除雪トラック
・ロータリー除雪車
・除雪グレーダ
・小型除雪車

など、それぞれの機械に対する「特殊車両運転免許資格」と「講習受講義務」が課されている。地域によってはさらに「大型特殊自動車の運転経験があること」など、個別の採用条件を定めている自治体も少なくない。

 そしてオペレーターに関しては、吹雪によるホワイトアウトのなかでも安全に作業をおこなうべく、現場のことを深く理解して適切な配慮ができる熟練の経験が必要になる。細かい地形や危険を伴う箇所は、視覚に頼ることができない状態でも作業がおこなえるよう、あらかじめ頭にたたき込んでおかなければいけないのだ。

 さらに先ほども述べた通り、冬の路面事情というのは刻一刻と変化する。毎年の積雪量にも変化があり、必要な人員量の予測もしにくい。そのため、人員の確保や機械の維持に経営者が頭を抱えてしまい、事業撤退するケースもあるという。

 このような流れを受けて、今実験的に「除雪車の自動化」がおこなわれているというのだ。

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