下請けイジメ横行の運送業界 価格交渉すれば「代わりはいくらでもいる」と嘲笑、経産省「価格転嫁調査」でわかった“美しい国”ニッポンの現実
調査の詳細な結果

また、その中小企業への就労人数は増加している(大手企業就労人数は横ばい)。
例えば小売りならアメリカでは従業員10人以上の事業者が50%以上を占めるが、日本ではそれすら20%程度。なんとなく日本も大企業による寡占化が進んでいるように感じる向きもあるだろうが、現実の日本経済は中小零細企業とそれらに従事する99%の企業および70%の労働者によって支えられている。
そうした下請けの中小零細が不利な取引を強いられていないかが今回の調査、正式には『価格交渉促進月間フォローアップ調査』(2022年9月分)である。
公表は大きく分けて「価格交渉」と「価格転嫁」のふたつを点数化した平均値を
・ア(7点以上)
・イ(7点未満、4点以上)
・ウ(4点未満、0点以上)
・エ(0点未満)
の四つで分類している。
そして、その内訳は
【1】価格交渉
・コスト上昇分の取引価格を反映してもらえた:10点
・コストの上昇がなかったため協議しなかった:5点
・コストの上昇はあったが自社で吸収可能と判断した:0点
・取引中止や発注の減少が怖くて協議しなかった:-3点
・発注企業に協議を申し入れたが応じてくれなかった:-10点
【2】価格転嫁
・コスト上昇分の転嫁割合により点数化(10割が10点~0割で0点の範囲、減額は-3点)
であり、冒頭に書いた日本郵便は1が「ウ」(4点未満、0点以上)、2が「エ」(0点未満)であった。
ちなみに価格転嫁で「エ」、つまり回答した下請け企業(10社)平均で「コストが上昇したのに減額された」と0点未満になったのは対象全企業中、日本郵便だけである。そもそも「エ」がついた企業は日本郵便と1の「価格交渉」が「エ」(0点未満)となった不二越の2社しかない。
その他の公表された大手運送会社は以下の通りである。
・ヤマト運輸:1が「イ」(7点未満、4点以上)、2が「ウ」(4点未満、0点以上)
・日本通運:1が「イ」(7点未満、4点以上)、2が「ウ」(4点未満、0点以上)
・佐川急便:1が「ウ」(4点未満、0点以上)、2が「ウ」(4点未満、0点以上)
「エ」のついた日本郵便ほどではないが、「ア」のつく企業はなく、「ウ」が全業種と比較しても多めの結果となった。佐川急便のような両方とも「ウ」には五洋建設、三井住友建設、一条工務店、前田道路などの建設土木関係や関電工、中電工といった電気設備工事、印刷大手の凸版印刷など、物流と同様に下請け構造の問題が指摘されている業種が並ぶ。