ANAの羽田「大型電子看板」撤去に賛否両論! 人命救える設備の今後を簡単に決めてよいのか 「なんでもスマホ」時代に見る公共スペースのあり方とは

キーワード :
, , ,
1月末、大型デジタルサイネージの撤去に関するANAのツイッター投稿について、インターネット上で賛否両論が渦巻いた。問題の本質は何なのか。

多様化する大型デジタルサイネージ

羽田空港第2ターミナル(画像:写真AC)
羽田空港第2ターミナル(画像:写真AC)

 ここでいったん、大型デジタルサイネージの役割について考えてみよう。

 今回話題となった大型デジタルサイネージの主機能は、

・出発時刻
・行き先
・便名
・ゲート
・遅延

などの情報の提供である。以前は、ソラリー式、多面反転表示式、あるいはパタパタと呼ばれる表示機がその役割を果たしていたが、技術の進化によって大型デジタルサイネージに変わっていった。

 当然、デジタル化に伴い多機能化したことはいうまでもない。大型デジタルサイネージの効果として、以下のことが考えられる。

・視認性が高く、人の誘導が容易になる
・瞬時に多様な情報発信ができる
・待ち合わせ場所やランドマークとして機能する
・災害や異常時における情報伝達や避難指示が可能

 大型デジタルサイネージには、従来のパタパタにはない、瞬時かつ多様な情報発信や災害・避難情報の発信機能が加わっているのだ。

 特に、災害情報の配信や避難指示を、大画面で瞬時に、かつ多言語で表示できる点は、不特定多数の人が集まる公共スペースでは欠かせないのではないだろうか。いざという場面で、耳の不自由な人や海外からの旅行者に、

「係員に聞いてください」
「小さなモニターやスマートフォンを見てください」

ではさすがに無理がある。

全てのコメントを見る