スペックはバイク以上? 昭和レトロな「電動三輪車」の可能性、日本の利用拡大に必要な条件とは
国内で16番目の自動車メーカーとして電動三輪車で新規参入した、日本エレクトライクという会社をご存じだろうか。同社を通して電動三輪車の可能性を探る。
スペックは「バイク以上軽トラック未満」

新たなというより、時を経て電動という形で復活しつつある三輪車であるが、これから物流手段として根付くのだろうか。
オート三輪が衰退し軽トラックに取って代わられた理由は、
・道路が整備され、狭い道を得意とする機動力が生かしきれなくなった
・積載量や走行安定性、車内環境が重視されるようになり四輪車に需要がシフトした
からといわれている。
現代の電動三輪車は、機動力を確保したまま走行安定性がオート三輪よりはるかに向上し、車内環境も幾分か改善され、さらには静粛性や扱いやすさが加わり魅力的に生まれ変わったといえる。
しかし、コストパフォーマンスはどうだろうか。
軽トラックは、最低モデルであれば新車で100万円を切っており、中古車だとそれ以下の価格で入手できるのである。また、今日ではエネルギー価格の上昇により容易に燃費を比較しにくくなっている。電動という点も、将来的に軽トラックが電動化されると差別化がますます難しくなる。
日本で電動三輪車の利用を拡大するには、
「バイク以上軽トラック未満」
というスペックを生かせるような、あるいは小回りや機動性を生かせるような、住宅密集地域や島あるいは観光地など特定箇所における物流手段だけでは限界があるのかもしれない。
手ごわいライバルである軽トラックではかなえられないような、斬新なアイデアが求められている。