「EV = 環境保護」の建前崩壊? バッテリー原料巡って各地で反対運動 「先祖からの農業つぶすな」の声に責任とれるのか

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EVに欠かせない鉱物「リチウム」。そんなリチウムを巡って近年、世界各地で反対運動が起きている。

EVに欠かせないリチウム

EV(画像:pixabay)
EV(画像:pixabay)

 電気自動車(EV)の開発・販売競争が激化するにつれて、ますます重要になってくる鉱物がリチウムだ。

 リチウムはリチウムイオンバッテリーの原材料であり、今やEVに欠かせない鉱物である。

 とはいえ、現時点における採掘国や採掘量は限られている。

 欧州連合(EU)各国が共同で設立したヨーロッパバッテリーアライアンス(EBA)の見積もりによると、早ければ2024年にリチウム不足となり、2030年には需要の半分しか満たせなくなるという。

埋蔵量で世界の半分を占めるチリ

リチウムの埋蔵量と生産量(画像:エネルギー・金属鉱物資源機構)
リチウムの埋蔵量と生産量(画像:エネルギー・金属鉱物資源機構)

 エネルギー・金属鉱物資源機構の「鉱物資源マテリアルフロー2020」によると、2019年時点で、世界には1700万tのリチウムが埋蔵されている。国別埋蔵比率は次のとおりだ。

・チリ:51%
・オーストラリア:16%
・アルゼンチン:10%
・中国:6%
・その他:17%

 チリ、オーストラリア、アルゼンチンの上位3か国で埋蔵量の77%を占めていることからもわかるように、リチウムの生産国は非常に偏っている。

 限られているリチウム生産国と生産量に加え、スマートフォンやEVなどの旺盛な需要により、リチウム価格は爆発的に上昇している。

 例えば、炭酸リチウムのスポット価格は2022年3月に約1000万円/tを超えて、2020年と比較して

「約12倍」

になった。2022年12月上旬時点では下降傾向にあるものの、平均価格はいまだに1000万円/tを上回っている。

 今や現代版ゴールドラッシュともいえるリチウムであるが、実は、リチウムの採掘に際しては世界各地で反対運動が起こっている。