意外と知らない? ロシアで「中古車」「原油タンカー」の価格が高騰している根本原因

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昨今のコロナ禍やウクライナ侵攻で、ロシア国内では日本の中古車の人気が上昇している。さらに世界の海洋運送業においても、原油タンカーの不足が発生しており、中古船舶の価格相場も高騰している。

流通量の減少原因とは

モスクワ3号環状道路(画像:写真AC)
モスクワ3号環状道路(画像:写真AC)

 昨今のコロナ禍やウクライナ侵攻で、ロシア国内では日本の中古車の人気が上昇している。さらに世界の海洋運送業においても、原油タンカーの不足が発生しており、中古船舶の価格相場も高騰している。

 今回は、ロシアにおいて中古車や中古船舶の価格高騰の原因について、さまざまな観点から追求していく。

 近年日本の自動車業界は、半導体不足とコロナ禍の影響により新車の生産が遅れ、新車が手に入れにくい状況だ。これにともない、中古車販売台数が伸び続けているか。

 実際の販売台数を比較してみよう。日本自動車販売協会連合会の調査によると、2020年度における新車登録販売台数は、普通車と軽自動車をあわせて前年度比88.5%だった。しかし同年度の中古車登録台数では、前年度比99.2%という伸び率を記録した。このように、売り上げ台数の上昇に伴い中古車の流通量が減少し、価格が高騰している。

 実はこの中古車流通量減少の原因は、先述した理由のほかにも

「ロシアへの中古車輸出量の増加」

も深く関わっている。

 ロシアの自動車専門調査会社「アフトスタット」の統計調査でも、2022年にロシアに輸入された中古車で最も多いのは日本車で、第1四半期には輸入中古車全体の86.6%、第2四半期は87.4%を占めたと報じている。具体的な車種は、トヨタ、スバル、日産、ホンダなどさまざま。これらの結果からも中古車輸出量が増えていることは明らかだ。

 ちなみに、ここで気になるのは車線問題だが、ロシアではどうだろうか。もともと日本車は右ハンドル仕様だが、海外では左ハンドルが主流であり、北米においても右ハンドル車を原則禁止としている国も存在する。しかし、ロシアでは右ハンドル車の利用を許可しているため、輸出をしても特に問題はない。

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