意外と知らない? ロシアで「中古車」「原油タンカー」の価格が高騰している根本原因

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昨今のコロナ禍やウクライナ侵攻で、ロシア国内では日本の中古車の人気が上昇している。さらに世界の海洋運送業においても、原油タンカーの不足が発生しており、中古船舶の価格相場も高騰している。

原油タンカーの中古船も価格上昇

ウラジオストク港(画像:写真AC)
ウラジオストク港(画像:写真AC)

 ロシア国内で価格高騰しているのは、中古車だけにとどまらない。原油タンカーも高騰している。

 海運調査会社のクラークソンズ・リサーチの統計によると、2022年1月から3月に、タンカー中古船相場(船齢10歳)は大型原油タンカー、アフラマックス、MR型(4万5000~5万5000tクラスのタンカー)において軒並み上昇している。この価格の高騰は、ロシア制裁の影響に伴い、欧州向けの石油製品を運送する航路を遠距離化せざるを得なくなったことが一因と考えられている。

 また、コロナ禍の影響により各都市においてロックダウンが敢行され、物質の消費需要が高まり、物価が高騰していることも関係しているようである。加えて、海上輸送コストや物価上昇に伴う影響もあるなか、世界の貿易においても混乱が生じたことにより、新造貨物船が作れない状況になってしまった。

 さらには、ロシアが中古タンカーを10隻以上購入という報道も一部あり、ロシア国内の中古タンカー需要が高まっていると考えられる。

価格高騰はいつまで続くのか

ロシアの今後の行方は(画像:写真AC)
ロシアの今後の行方は(画像:写真AC)

 では、このような中古車・中古貨物船の価格高騰はいつまで続くのだろうか。

 ロシア国内では中古車の需要が依然として高く、中古車価格の高騰が止まらない。一方で日本国内においても、半導体不足やパンデミック(世界的大流行)による海外工場の生産遅延の影響などにより、こちらも中古車価格の高騰が続いている。この高騰をおさえられるかどうかは、

・半導体生産量の増加
・ウクライナ侵攻の沈静化

にかかってくるが、2022年12月の段階では、いずれも具体的な見通しのめどが立っていない。

 また船舶に関しては、海運業界の売り上げ増加に伴い、新造貨物船の生産が急がれる。世界海運協議会が発表した情報によると、2021年発注されたコンテナ船は総額425億ドルと過去最高を更新した。多くの企業が発注した新造船の多くが完成し就役する時期が、およそ1年から2年としているため、2023年から2024年頃には原油タンカーの価格高騰が治まるであろうという見解がある。

 昨今のウクライナ侵攻やコロナ禍により、混乱状況が続いているロシア国内。今後、ロシア市場の混乱は世界経済にも影響することは間違いないだろう。

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