搾取される運送会社! 下請けの約半数が「運賃値下げ」を経験、必要なのは規制強化か、さらなる緩和か

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道路貨物運送業への「買いたたき」は約半数の企業に及んでおり、全業種中最低だった。解決の術はあるのか。

多重下請け問題

運送の多層構造。国土交通省「トラック運送業における下請け・荷主適正取引推進ガイドライン論点整理(案)」を元に加筆修正(画像:国土交通省)
運送の多層構造。国土交通省「トラック運送業における下請け・荷主適正取引推進ガイドライン論点整理(案)」を元に加筆修正(画像:国土交通省)

 次に挙げられるのは、「多重下請け」の問題だ。運送業では

「元請け → 1次下請け → 2次下請け……」

といった構造が常態化している。ただ、誤解をしてほしくないのは、下請け取引すべてが「悪」ではないことだ。例えば、行きの荷物しかないトラックが、帰りは他社の荷物をもらって下請けとなるケースもある。このようなケースは良い下請け取引だ。

 一方で、改善すべき下請け取引の形態もある。その代表例は、運送業界でよく見られる、下請けが元請けに車両とドライバーを預ける形態である。

「車両込みのドライバー派遣」

のような形態だといえばわかりやすいだろう。

 この場合、車両とドライバーの実質的な管理を行うのは元請けであり、実質的には運行指示も、元請けの配車マンが実施している。

 この場合も、ドライバーを直接雇用しているのは下請けであり、労務管理の責任を負うべきなのは下請けなのだが、このようなあしき下請けのパターンでは、管理はほとんど形骸化してしまう。

多重下請け取引を規制する米国

道路を走るトラック(画像:写真AC)
道路を走るトラック(画像:写真AC)

 多重下請けの問題はこのような労務問題にとどまらない。多重下請けによって、荷主が
「自社の荷物を運んでいる運送会社を知らない」

といったケースさえある。AコンビニのトラックがBコンビニの商品を届けていた、というような笑い話のようなケースもあるのだ。

 この例からわかるとおり、多重下請けはコンプライアンス上、さまざまな問題を内包している。そのため、規制の網を掛けている国もある。

 その一例が米国であり、実運送会社が他社に再委託するときには、その旨をあらかじめ明示する義務が課されている。この規制によって、無制限な多重下請けには一定の歯止めが掛けられているのである。

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