285系「サンライズエクスプレス」後継車導入に課題山積、最大の焦点は乗務員室の運転台だ
7両編成中、電動車はたった2両

寝台車のオール個室化により、定員を少しでも多く確保するため、7両編成中5両を2階建て車両にした。付随車(モーターを搭載していない車両)なので、客車なみの静かな乗り心地を提供している。
残る2両は平屋車両の電動車(モーターを搭載した車両)で、B寝台個室ソロ、指定席ノビノビ座席&B寝台個室シングル2室が配置された。電動車がたった2両なのに、7両編成に組成できたのは、JR西日本在来線電車の思想に基づく。
その礎(いしずえ)となったのは、1995(平成7)年に登場した223系1000番台近郊形電車だ。電動車に
・制御装置
・空気圧縮機
・補助電源装置
・蓄電池
など、電車の走行に必要な機器類を集中艤装(ぎそう、車両に空調機やダクトを取付けたり、天井パネルを取付けたり、床下機器を取付けたりする作業)することで、1両のみの運転も可能になったほか、電動車1両につき付随車2~3両を連結できる。これを「1M電車」という。
285系サンライズエクスプレスは1M電車のシステムを踏襲し、寝台特急用にカスタマイズした。
2005年以降、電車の思想が変わる

2022年10月以降、複数の媒体が285系サンライズエクスプレスを取り上げ、特に『MonoMax Web』(宝島社)、『乗りものニュース』(メディア・ヴァーグ)は後継車について言及している。すべてではないが、鉄道車両の寿命は30年を目安にするところが多いようだ。例えば、JR東海の在来線車両は登場から30年以上を経過したキハ85系特急形気動車、311系近郊形電車などの置き換えを進めている。
現在のところ、285系サンライズエクスプレスは、2013~2014年度に和式トイレを洋式トイレに更新、安全対策の見直しを図るなど、若干のリフレッシュ工事が行われたこともあり、後継車登場という話はない。仮にその計画があったとしても、課題がある。
それはJR西日本自体が電車の思想を変えたことだ。2005(平成17)年に登場した321系通勤形電車から、「0.5M電車」に方針転換したのである。
0.5M電車は1編成すべて電動車に組成され、1両につきモーターつきの動力台車とモーターなしの付随台車を履く(注:321系は7両編成中、3号車のみ付随車。ほかの車両はすべて電動車)。床下には主回路装置、補助電源装置、ブレーキ制御装置、配電箱、蓄電池などを艤装する。このシステムにより、2階建て車両の新製が難しいものと思われる。
285系サンライズエクスプレスの後継車は、オール平屋車両の可能性が高く、定員の減少は避けられない。