285系「サンライズエクスプレス」後継車導入に課題山積、最大の焦点は乗務員室の運転台だ

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285系サンライズエクスプレスの後継車は、オール平屋車両の可能性が高く、定員の減少は避けられない。最大の焦点は、乗務員室内の運転台だ。

285系サンライズエクスプレスの運転台は特殊仕様か

京都鉄道博物館に展示されている221系の運転台(画像:岸田法眼)
京都鉄道博物館に展示されている221系の運転台(画像:岸田法眼)

 後継車投入に向けた最大の焦点は、乗務員室内の運転台だ。

 JR西日本が初めて世に送り出した221系近郊形電車以降、在来線電車の運転台は左手に主幹制御器(マスコンハンドルともいう)、右手にブレーキハンドルの横軸式に徹している。登り勾配線上での起動、悪天候下で空転の恐れがあるとき、ブレーキをかけながら主幹制御器の力行を操作することを想定しているからだ。21世紀に入ると、気動車にも波及しており、運転台ハンドルの標準化が一層進んだ。

 しかし、JR北海道・東日本・東海・九州の在来線車両は、主幹制御器とブレーキを一体化した左手操作のワンハンドルマスコンが標準である(参考までに、JR四国は国鉄時代に登場した205系通勤形電車などと同じタイプを標準としている模様)。四半世紀前に比べると、国鉄車両もかなり減少しており、主幹制御器とブレーキハンドルが別々のタイプは“時代遅れ”と化している。

 JR西日本は昔から独創性を重視するあまり、協調性に欠けている。左手操作のワンハンドルマスコンを“解禁”しない限り、285系サンライズエクスプレスの後継車が現れない可能性もありえる。

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