配達ドライバーにとって「AI」は天使か悪魔か 過剰なまでに進められる業務効率化、事故リスク生み出す可能性も

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近年広まるAIを使った宅配サービス。その行く末とは。

AIは「中立的」ではない

アレックス・ローゼンブラット「ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―」(画像:青土社)
アレックス・ローゼンブラット「ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―」(画像:青土社)

 以前、当媒体に書いた「「体力も気力も続かない」 定額乗り放題サービス「mobi」のドライバーから寄せられる悲痛な声、AIが蝕む最適化され過ぎた現状とは」(2022年9月23日)で論じたが、オンデマンド型(必要に応じて配車を要請する形)で「30日間5000円」でエリア内が乗り放題になるサービス「mobi」も同様である。

 少ない数のドライバーに対して、オンデマンドによる運行指示を出すことで効率化を図ろうとしているが、ドライバーも生身の人間である。その要求に応えることが物理的にも精神的にもきつく、現場では悲鳴が上がっている。なお、同サービスはKDDIとピンク色の高速バスで知られるWILLERの合弁会社Community Mobilityが提供している。

 AIは「中立的」な存在ではなく、経営者が望むような人間に仕事が優先的に割り振られるよう設定されている。このことは、アレックス・ローゼンブラット『ウーバーランドーアルゴリズムはいかに働き方を変えているか』(2019年、青土社)で示されている。

 ローゼンブラット氏はドライバーの声を丹念に拾うことで、外部からは確証を得られない、AIによる配車システムが持つバイアス、つまり、優先的な配車が会社側にとって都合のいい行動をとるドライバーになされていることを検証している。

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