配達ドライバーにとって「AI」は天使か悪魔か 過剰なまでに進められる業務効率化、事故リスク生み出す可能性も

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近年広まるAIを使った宅配サービス。その行く末とは。

AIは「利益追求」のために存在する

フードデリバリーのイメージ(画像:写真AC)
フードデリバリーのイメージ(画像:写真AC)

 AIは客観的な判断を行わない。そのため、AIとその判断はあくまでもプログラム作成者、そしてプログラムの依頼者の要請を反映する。

 AIの導入を図るのは経営者であり、彼らが求めるのは言わずもがな

「利益」

である。競争の激化により、長期的な利益を狙った取り組みは後景に押しやられ、短期的な利益が徹底的に追求されるようになった。高額投資を行ってまで、AIの導入で効率化を図ろうとするのはそのためである。

 AIの導入で、労働者の休息の必要性はほとんど考慮されなくなった。なぜなら、AIのプログラム作成者は労働実態について深く考慮せず、また、知る機会もないからだ。

 クライアントである経営者は、労働者を代替できる存在と見なし、できるだけ働かせようとさせる。そこまでしても、無理して働こうとする労働者はあふれている。さぼりたい労働者には仕事を回さなければいいし、多く働きたい労働者には仕事を回せばいいのだ。アマゾンやウーバーイーツの配達員は、まさにそのような処遇の下で働いている。

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