飛行機に乗るのはもはや「恥」なのか? 世界に広がる脱炭素の波、日系エアラインが心血を注ぐCO2削減対策とは

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脱炭素の観点から世界に広がる「飛び恥」。そんな不名誉レッテルに航空業界はどのように対応するのか。

SAF生産量は需要のわずか「0.03%」

SAF製造サプライチェーンモデル(画像:日揮ホールディングス)
SAF製造サプライチェーンモデル(画像:日揮ホールディングス)

 一方、SAFの製造コストはまだ高く、従来のジェット燃料と比べて価格は3~4倍するため、多大な費用がかかる。航空業界にとって、現時点でそのようなコストをかけるのは現実的ではない。

 さらに、世界のSAFの生産量は需要の

「0.03%」

と世界的に不足しており、代替燃料となるのはもう少し先の話だ。

 ANAは現在、フィンランドに本社を置くNESTE社からSAFを調達しつつも、国内5社とともに、国産SAFサプライチェーンの商業化と普及に努めている。JALはアメリカのSAF製造企業フルクラム社への出資を行い、大量生産の実現を目指している。

 将来的なCO2ゼロ達成にとって、SAFは必要不可欠だ。そのためにも安定供給だけでなく、経営を圧迫しないような市場価格にまで引き下げられるかどうかが課題になる。

飛行機利用者への費用負担も開始

ルフトハンザ航空のエコノミーグリーン運賃(画像:ルフトハンザ航空日本公式サイト)
ルフトハンザ航空のエコノミーグリーン運賃(画像:ルフトハンザ航空日本公式サイト)

 さて、一部のヨーロッパエアラインでは、グリーン運賃制度の試験的な導入を始めている。2022年からKLMオランダ航空は、アムステルダム発の全てのフライト価格に、SAF代として数ユーロを追加した。

 ドイツのルフトハンザ航空グループ(ルフトハンザ航空、スイスインターナショナル航空、オーストリア航空、ブリュッセル航空)は、8月から一部北欧発の路線の購入画面でグリーン運賃のオプションが表示されるようになった。

 チケット特典はエコノミークラシックと同じだが、価格はフレックス料金となる。この追加運賃分を気候保護プロジェクトとSAF使用に充てることで、カーボンニュートラル(実質的なCO2排出量ゼロ)の実現を目指す。利用客はグリーン運賃を支払うことで、自発的に環境に配慮した選択ができる。

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