「四国新幹線」の誘致運動、徳島・岡山は他県と温度差があった! その裏事情をご存じか

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整備新幹線格上げを求めて、四国新幹線の誘致運動が熱を帯びているが、沿線5県のうち、徳島県と岡山県は他の3県と温度差が感じられる。何か裏にあるのか。

岡山県は煮え切らない反応

四国新幹線開通で孤立が心配される宇野みなと線(画像:高田泰)
四国新幹線開通で孤立が心配される宇野みなと線(画像:高田泰)

 岡山県は四国新幹線の格上げに向けた国の法定調査が始まれば協力する考えを示しているが、四国4県とスクラムを組んで推進する空気になっていない。建設にかかる巨額の地元負担や並行在来線の問題を抱えるためだ。

 瀬戸大橋線のうち、岡山市の岡山駅から倉敷市の児島駅までは27.8km。整備新幹線の現在のスキームでは、建設費はJRの貸付料などを除いた残りを国2、地元1の割合で負担することになっている。

 国交省が九州新幹線西九州ルートのうち、フル規格整備に着手していない佐賀県の新鳥栖~武雄温泉間約50kmの佐賀県負担額を試算したところ、450~660億円と出た。岡山~児島間が半分程度の距離になると仮定して、単純計算した岡山県の負担はざっと225~330億円。2008(平成20)年に財政危機宣言を出した岡山県にとって、軽い負担ではない。

 JR西日本から切り離される並行在来線は瀬戸大橋線になる見込みだ。その場合、第三セクター鉄道としての運営費も岡山県にのしかかってくる。しかも、倉敷市の茶屋町駅と玉野市の宇野駅を結ぶ宇野みなと線が孤立する形になり、地域の足にしわ寄せが出る不安が残る。

 期成会は2019年、四国新幹線開通で岡山県の拠点性向上や経済圏・交流人口の拡大が期待できるとする報告書をまとめたが、伊原木隆太岡山県知事は県議会で「巨額な費用負担や並行在来線の経営分離が懸念される。引き続き国や関係各県の動向を注視したい」と述べるにとどめた。

 法定調査の結果、岡山県のメリットが小さいとなれば、推進に協力が得られず、四国4県が費用負担を肩代わりせざるを得ない状況に陥ることも考えられる。微妙な温度差が九州新幹線西九州ルートの整備手法で対立する長崎、佐賀両県と似た状況に発展する火種がくすぶっている。

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